No.05 光合成の酸素はどこからできる?


3年D群 5/11(月)

 

授業の目標

①吸収スペクトルを説明できる。

②光合成の4段階の反応を説明できる。

 

重要な語句

チラコイド、グラナ、光合成色素、ストロマ。吸収スペクトル、クロロフィルa、クロロフィルb、

作用スペクトル、ヒル反応、カルビン・ベンソン回路、光化学系Ⅱ、電子伝達系、光化学系Ⅰ、

光リン酸化

 

授業の内容

光合成は、光エネルギーを利用した炭酸同化である。

※炭酸同化=二酸化炭素を用いて、有機物を合成する過程

…光エネルギーは葉緑体のチラコイド内の光合成色素によって吸収される。

(光合成色素の例)クロロフィルa(青緑)、クロロフィルb(黄緑

※クロロフィルの場合、赤色光や青紫色光を吸収している。

…どのような色の光を吸収しているかを表したものが吸収スペクトル

…どのような色の光が光合成速度を大きくしているかを表したものが作用スペクトル

→光合成色素の吸収スペクトルと、作用スペクトルが一致していることから、

光合成色素が光合成に関わっていることがわかる。

 

◎光合成は4段階(チラコイド3段階+ストロマ1段階)の反応で進行する。

(1)光化学系Ⅱ(チラコイドで進行)

クロロフィルが光エネルギーを吸収する。

②光エネルギーを吸収したクロロフィルが活性型クロロフィルとなり、電子を放出する。

水の分解によって生じた電子を補充した活性型クロロフィルは、クロロフィルに戻る。

※この時、酸素が発生する。

 

(2)電子伝達系(チラコイドで進行)

④②で放出された電子のエネルギーを用いて、ADPとリン酸を結合させ、ATPを合成する。

…この過程を光リン酸化という。

 

(3)光化学系Ⅰ(チラコイドで進行)

クロロフィルが①とは別の光エネルギーを吸収する。

⑥光エネルギーを吸収したクロロフィルが活性型クロロフィルとなり、電子を放出する。

⑦⑥で放出された電子を用いて、補酵素NADPHを合成する。

⑧電子伝達系で使われた電子を補充した活性型クロロフィルは、クロロフィルに戻る。

 

(4)カルビン・ベンソン回路(ストロマで進行)

⑨④で合成したATPと、⑦で合成したNADPHにより、吸収したCO2から有機物を合成する。

※この反応経路は回路状になっているので、このような名前がついている。

※この過程で6分子の水が生成される。

 

→(1)~(4)の過程をまとめると、下のようになる。

6CO2 + 12H2O + 光エネルギー → C6H12O6 + 6O2 +6H2O