No.03 ATPを多く得るには酸素はほしい


3年D群 4/22(水)

 

授業の目標

①発酵と呼吸の違いを説明できる。

②呼吸商の計算ができる。

 

重要な語句

発酵、アルコール発酵、乳酸発酵、解糖、呼吸商

 

授業の内容

解糖系はすべての生物に共通するATP生産経路である。

…酸素がなくてもATPを生産できる。

アルコール発酵 by 酵母菌

C6H12O6 → 2C2H5OH + 2CO2 + 2ATP

※C2H5OH…エタノール(アルコール)

※アルコール発酵時に発生するCO2のおかげで、日本酒やワインをつくる過程でも炭酸が生じる。

 

乳酸発酵 by 乳酸菌

C6H12O6 → 2C3H6O3 + 2ATP

※C3H6O3乳酸

 

解糖 by 筋肉(スポーツ医学では乳酸系ということもある)

C6H12O6 → 2C3H6O3 + 2ATP

※C3H6O3乳酸

 

…①~③からわかるように、解糖系は通常の呼吸よりもATP収量が少ない

→呼吸では、呼吸基質(有機物)をほぼ完璧に分解している。

→解糖系では、呼吸基質(有機物)を分解しきれていない。

 

◎呼吸基質によって、呼吸の反応は少し違う(今まで出てきたのは炭水化物を例にしている)

…呼吸基質ごとに、呼吸商(RQ)が決まっている。

RQ = 発生したCO2使用したO2

 

①炭水化物(C6H12O6)の場合

C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O

RQ = 6/6 = 1.0


②脂肪(C57H110O6)の場合

C57H110O6 + 163O2 → 114CO2 + 110H2O

RQ = 114/163 = 0.699… = 0.7


③タンパク質(C6H13O2N)の場合

C6H13O2N + 15O2 → 12CO2 + 10H2O + 2NH3

RQ = 12/15 = 0.8