24  内分泌系も状況に応じて調節している


1MA 11/16(月)予定 1MB 11/12(木)予定

 

授業の目標

ホルモンとはどのような物質であるか、適切な語句を用いて説明できる。

 

重要な語句(P.はベストフィット生物基礎)

標的細胞(P.126)

…(標的器官)を構成する細胞。特定の(ホルモン)と結合する(受容体)をもつ。

脳下垂体(P.125)

…(間脳)から垂れ下がる内分泌腺。(視床下部)の支配を受けながら様々なホルモンを分泌する。


授業の内容

ホルモン血液によって運搬され、標的器官に作用する化学物質である。

内分泌腺視床下部、脳下垂体、甲状腺など)でつくられる。

※生物基礎で登場する内分泌線一覧とそこから分泌されるホルモン

赤字は覚えておくべき内分泌線・ホルモン

視床下部成長ホルモン放出ホルモン副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン

脳下垂体前葉成長ホルモン副腎皮質刺激ホルモン甲状腺刺激ホルモン

脳下垂体後葉バソプレシン

甲状腺チロキシン

副甲状腺(パラトルモン)

副腎皮質糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド)

副腎髄質アドレナリン

すい臓ランゲルハンス島A細胞グルカゴン

すい臓ランゲルハンス島B細胞インスリン

②ごく微量で作用する。

血液によって運搬される。

※バソプレシンは神経分泌細胞の軸索(神経細胞に見られる長い突起)中を移動する。

標的細胞の受容体に結合して、作用する。

→ホルモンによる情報伝達系を内分泌系という。

 

間脳視床下部は内分泌系の中枢として働く。

…視床下部から内分泌腺への働きかけは2つの方法がある。

①視床下部内の神経分泌細胞から放出ホルモンを分泌する。

 放出ホルモンを受容した脳下垂体前葉は各内分泌腺に刺激ホルモンを分泌する。

②視床下部から自律神経(交感神経・副交感神経)通じて内分泌腺に働きかける。


◎ホルモンの血中濃度が上昇すると、分泌が抑制される。

フィードバック調節

(例)チロキシンの分泌が過剰になると、

①視床下部からの甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が抑制

②脳下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑制

③甲状腺からのチロキシンの分泌が抑制

※脳下垂体前葉を摘出すると、甲状腺が縮小する

(甲状腺刺激ホルモンが分泌されないため、チロキシンが分泌されなくなる)


Back Side Story Vol.24

スポーツ選手がドーピングをしてはいけない理由

 ロシアの陸上界が国ぐるみでドーピングをやっているのではないか、という疑惑が持ち上がり、連日報道を賑わせている。来年はリオデジャネイロ五輪開催の年だから、というわけでもないが、今回のドーピング疑惑はかなり大事に発展しそうな雰囲気だ。


 昨年、「自転車競技コーチ」という名前だけはカッコイイ資格を取るために参加した講習で何度も耳にしたのが、ドーピングに関する内容だった。昔から時々話題になっていたが、世界的に衝撃を与えたのは、カール・ルイスとともに活躍した、陸上の短距離選手ベン・ジョンソンが禁止薬物を使っていたことだろう。彼は1988年のソウル五輪で獲得した金メダルを剥奪されている。当時、僕は小学生。ドーピングが何なのかということはよく分かっていなかったが、彼がいけないことをしたことだけは何となく理解できた。


 ドーピングで用いられる薬物は様々だ。筋肉を増強させるためのホルモン剤であったり、赤血球の量を増加させるホルモン剤であったり…こうしてみると、「ホルモン」を用いるケースが結構多い。自転車競技を題材にした小説「サクリファイス」(近藤史恵・新潮文庫)にもドーピングの話題が登場する。もちろん、競技の公平性を保てなくなるという理由から、薬物の使用は認められていないわけだが、時には健康を害することもある。選手生命だけでなく、命そのものにも危険が迫ることだってあるのだ。


そんなドーピングの恐怖を扱った漫画が「D-ASH」(北沢未也・秋重学、全5巻、小学館)だ。物語は主人公の飯塚司が小学生の時から始まる。学校の中でもぶっちぎりで足の速い司の興味はもっぱら女子(笑)。この辺りが思春期まっただ中を思わせ、描写もちょっぴりエッチな方向にいきがちだ。ちょっと大人びた女子をからかったりする司だったが、同じクラスの美少女・前田紗英に恋心を抱くようになる。彼女は司とは逆に、交通事故によって不自由な足と共に生きることを運命づけられている。紗英の転校によって離れ離れになった2人は、中学・高校・大学と進む中で交わったり、離れたりしていく…。


 ここまで読むと、「ただの恋愛マンガかい!」というツッコミが来そうだが、実はれっきとしたスポーツものだ。陸上競技、しかも100m走という10秒弱の世界を題材にした作者は改めてすごいと思う。最近の女子高生の間で流行っている(?)○○の要素も少し含みながら、衝撃のラストへ向かっていく。


 さて、この本を読みたいと思った人…実はもう売っていない。かなり昔の作品であること、そしてイマイチ売れなかったということで、中古でしか手に入らない。幸い、僕は一昨年、中古で全5巻を揃えた(インターネットの力はやはりすごい)。興味のある方は、椿まで。お貸ししますよ。